木造住宅の耐震基準って?
2023.01.28
新耐震・旧耐震・2000年基準
クリームシチューが美味しい季節です。
翌日に残ったシチューを、ご飯にかけてさらにチーズをのせて焼く“シチュードリア”にして食べるのが好きなのですが、実はそのために多めに作っていると言っても良いかもしれません。
こんにちは、設計の森です。
先日の現場見学会の中で、木造住宅の耐震基準についての説明パネルを作成しました。
木造の耐震性を高めるもののひとつに「筋かいを入れた壁」や「構造用合板などの面材を張った壁」である『耐力壁』をどれだけ配置するか、ということがあります。
この、耐力壁の規定を主に、耐震基準の変遷について簡単にまとめました。
大きな改正があったのは昭和56年6月です。ここを境に「旧耐震」と「新耐震」に分かれます。
TOUKAI-0の無料診断の対象が昭和56年5月以前に旧耐震で建てられた木造住宅なのはそのためです。
新耐震がさらに強化された「2000年基準」では3つの点が強化されました。
・地耐力(地盤の強度)に応じた基礎の構造が規定されたことで地盤調査が実質義務化されました。
例えば“地耐力20kN/㎡以上はべた基礎とする”ということですが、地耐力が20kN/㎡以上ある、というのを確認するには地盤調査するしかないわけで、それで実質義務化ということです。
・ホールダウン金物は、柱が土台や梁から抜けないようにするために取り付ける金物で「引き寄せ金物」とも呼ばれます。
阪神・淡路大震災が起こった当時、2階建ての住宅ではホールダウン金物についての定めが無い状況で、多くの家屋が全壊・半壊の被害を受けました。
地震による横揺れで柱が浮き上がる“引き抜け”が起こります。強い耐力壁が取り付いている柱にはより大きな引き抜き力が生じることから、その取付方法の仕様が明確になり、ホールダウン金物が必須となったのです。
・耐力壁の配置にバランス計算が必要となりました。
耐震性能をアップさせるために筋かいをとにかくたくさん入れれば良いのか?というとそうではありません。偏った配置で筋かいを入れてしまうと変形が生じます。そこで、耐力壁をバランスよく配置するためにバランス計算をすることになりました。
さらに耐震等級についてのお話もありますが、それはまた次回…