住まいの劣化や不具合は、ある日突然起こるわけではありません。よく見れば「前よりドアの閉まりが悪い」「天井の一角に薄いシミができている」など、日々の生活の中に予兆は現れています。

それらに“気づけるかどうか”が、家を長く快適に保つための分かれ道。つまり、住まいに対するちょっとした「セルフチェックの習慣」が、将来の大きな修繕リスクを減らすことにつながるのです。

今回は、ご自身でできる基本的なセルフチェックのポイントをテーマ別にご紹介します。

毎日の暮らしで気づけるチェックポイント

・ドアや窓の開閉具合
「最近、少し重くなった?」「キーキー音がするかも?」という変化は、建具のゆがみや金具の劣化が進んでいるサイン。放置すると建付け調整が必要になったり、隙間風や断熱性の低下を招きます。

・壁や天井の「色や質感の変化」
日々見慣れていると見落としがちですが、じっくり見てみると「シミ」「浮き」「ひび割れ」などの異変が潜んでいるかもしれません。特に天井や壁紙の浮きは、水漏れの兆候である場合もあるので要注意です。

・水まわりの音・におい
「排水時の音がゴボゴボと変になった」「なんとなく下水臭い気がする」など、水まわりの異変もセルフチェックで気づきやすいポイント。配管の詰まりや漏れの初期症状かもしれません。

季節ごとに行いたい「チェック習慣」

・外まわりの点検(春・秋)
外壁や屋根、雨どいなどは、気候の穏やかな時期に目視点検がおすすめです。ひび割れ、コケの付着、塗装の剥がれなどをチェックしましょう。脚立や高所での作業は無理せず、気になる点は業者に相談を。

・網戸や窓サッシの確認(梅雨・夏前)
湿気が増える季節に備えて、網戸の破れや窓まわりのゴムパッキンの劣化を確認しておくと安心。これにより虫の侵入や雨水の浸入を防げます。

・設備機器の作動確認(冬前)
給湯器や暖房機器など、寒い時期に欠かせない設備は「寒くなる前」に動作確認を。特に長時間使っていなかった設備は、念のための試運転がおすすめです。

まとめ:あなたの気づきが、家を守る第一歩

専門家による定期点検はもちろん大切ですが、住む人だからこそ気づける小さな異変もたくさんあります。

「この家に住んでいるのは自分たち」という当事者意識こそ、何よりの“住まいの守り手”。

少し意識を向けるだけで、家の不調に早く気づき、必要な対応へとつなげることができます。面倒に思えるメンテナンスも、「家族の健康診断」のように前向きに楽しめたら素敵ですね。