注文住宅はどう変わる?2025年法改正のポイント
2025.12.01
家づくりのお役立ちコラム
2025年4月、建築基準法および建築物省エネ法が改正されました。
これにより、これから家づくりを始める方にとって、設計や申請の手続きが大きく変わります。今回の法改正は、住宅の安全性や快適性、環境性能を高めることを目的としたものであり、住まいづくりの質を一段と高める契機となります。
今回は、改正の主なポイントと、それが注文住宅の計画にどのような影響を与えるのかをわかりやすく解説します。これから住まいづくりを始める方は、ぜひ参考にしてください。
省エネ性能の義務化で快適性と経済性が向上
今回の改正で最も大きな変化のひとつが、「省エネ基準への適合が義務化された」ことです。
これまでは一定規模以上の建物にのみ義務付けられていた省エネ性能の確認が、すべての新築住宅に対して必要となりました。
具体的には、外皮性能(断熱性)や一次エネルギー消費量の基準を満たす設計が求められます。これにより、住宅の断熱性や気密性が向上し、冷暖房の効率が良くなるため、光熱費の削減や室内環境の快適性が高まります。
設計段階では、専門的な計算や評価書の作成が必要になるため、これまでより多くの時間が必要になります。断熱材の種類や窓の性能、換気システムなど、これまで以上に細かい仕様の選定が重要になりますが、結果として「住み心地の良い家」が標準になるのは大きなメリットです。
「4号特例」の縮小で確認申請がより厳格に
もうひとつの大きな変更点が、「4号特例の縮小」です。
これまで、木造2階建て以下の住宅など一定の条件を満たす小規模建築物で建築士が設計・監理を行った場合には、建築確認・検査時に一部の審査・検査が省略される特例制度が設けられていました。今回の改正により、こうした特例の対象が大幅に縮小され、原則として構造安全性の確認が必要になります。
これにより、提出図面・書類の種類も増加します。審査機関によるチェックにも時間がかかるようになり、確認申請から着工までの期間が延びる可能性があります。
施主にとっては、「家づくりのスケジュール管理」がこれまで以上に重要になります。土地の契約や仮住まいの手配など、周辺の準備も含めて余裕を持った計画が求められます。
法改正は「安心・快適な家づくり」への一歩
今回の法改正は、住宅の安全性・快適性・環境性能を高めるためのものです。確かに、設計や申請の手続きは複雑になりますが、その分、長く安心して暮らせる住まいが手に入るというメリットがあります。
注文住宅は、施主のこだわりを形にできる自由度の高い住まいづくりです。今回の法改正を「制約」ではなく「品質向上のチャンス」と捉え、信頼できる設計者や施工会社とともに、理想の住まいを実現していきましょう。



























